発信情報
平成29年度第4回 若手支援セミナー 【開催されました】
講師 新谷誠康先生 伊藤公一先生 発信部 学術委員会 詳細内容
成29年10月22日(日)13:00~17:00 【終了しました】
会場:日本大学桜門会館
第4回 若手支援セミナー(東京歯科大学同窓会・日本大学歯学部同窓会 共催)が開催されました。
受講料:無料
対象:若手歯科医師 (出身校・卒業年度不問です)
講演内容
講演1 13:10~14:40
演題 若手歯科医師に伝えたい小児歯科治療の考え方
講師 東京歯科大学小児歯科学講座教授 新谷 誠康 先生
講演2 15:00~16:30
演題 歯周治療をマスターする -きほんのき!-
講師 日本大学特任教授 伊藤 公一 先生
「若手歯科医師に伝えたい小児歯科治療の考え方」
東京歯科大学小児歯科学講座
新 谷 誠 康
成人の口腔と小児の口腔の最も大きな違いは何でしょうか。顎の大きさでしょうか。歯の数でしょうか。乳歯があることでしょうか。答えは小児が成長発達過程にあるということです。成人は徐々に老化するものの、現在と1年前ではほとんど患者の状態は変わらないと言ってもよいでしょう。しかし、小児の顎・顔面・口腔は発育中であり、年齢が1歳変わればずいぶんと変化します。成人にとって現在の状態はあまり変化のない過去と未来の間ですが、小児にとっては駆け足で刻々と変化する過去と現在の一通過点なのです。従って、現在の小児の口腔状態はその時期にしかみられない口腔であり、一見異常に見えても成長発達過程においては一時的に認められて当たり前の疑似異常である事も多いのです。反対に、成人と同じような観点から観察していると異常を見逃してしまうこともあります。
成人の歯科治療は現時点以降に大きな変化がないものとして行い、疾患によって損なわれた器官と機能を元の状態に戻し、その状態を半永久的に維持する事が目的です。これに対して、小児の顎顔面は発育中であり、小児の歯科治療はその後の顎顔面の発育を予測して行います。つまり、小児の歯科治療は疾患によって損なわれた器官や機能のみならず、発育を正常な状態に戻し、正しい永久歯列と顎顔面を完成させることを目的としています。萌出や歯列咬合の問題を含め、特に小児期における幼若永久歯への対応を誤ると患者さんに一生継続する禍根を残すことになりかねません。小児歯科における診察と治療のポイントは「今起こっていることは、この年齢の子どもにとって正常か、異常か」を診断し、「小児の発育を阻害しない方法、あるいは正しい発育を導く方法」を用いて治療を行うことです。今回の講演では小児を診ていく上で、「今やっては行けない事」や「これから注意を要する事」をお話ししたいと思います。
歯周治療をマスターする ―きほんのき!―
日本大学特任教授
伊藤 公一
永久歯が抜去されると,咀嚼,咬合,発音機能および審美性に問題が生じるので,それらを回復するために欠損部に補綴治療あるいはインプラント治療を行う必要がある。これまでの歯科疾患実態調査報告によれば,歯肉になんらかの所見のあるものは国民の約70%以上にも及んでおり,成人の抜歯原因の約40%以上が歯周病に起因するという。
歯周病である歯肉炎や歯周炎の原因は,プラーク(バイオフィルム)であることが基礎的ならびに臨床的研究によって証明されている。したがって歯周病は,プラーク中の細菌による感染症であること,また生活習慣病でもあることにコンセンサスが得られている。
あらゆる疾病の治療原則は,原因除去療法を基盤とした早期発見,早期治療であり,この基本原則が,歯周治療にも当てはまる。したがって,歯肉炎については付着喪失や歯槽骨吸収が起こっていないことから,早期発見,早期治療を行うことで完治させることができる。しかし,進行した歯周炎では病変の進行を阻止することが可能であっても,喪失した付着レベルや歯槽骨吸収を正常レベルまで回復することは極めて困難である。
歯周基本治療とは,プラークコントロールを基盤としたスケーリング,ルートプレーニングである。近年歯周病学および歯科インプラント学の進歩には目覚ましいものがあり,歯周外科手術およびインプラント治療においても,科学的論拠に基づいた予知性のある新しいテクニックが臨床応用されるようになってきた。
本講演では,将来歯周組織再生療法やインプラント治療をマスターしたい歯科治療の初歩を学んだと思われる若手歯科医師諸君のために,その前に習得しておかなければならない歯周治療の基本の「基」について考察し,臨床例を中心として解説する所存である。
柴崎常任理事開会挨拶 司会進行 西原学術副委員長
講師 新谷 誠康 先生
たくさんの先生方にお越し頂きました。
講師 伊藤 公一 先生
座長 藤川 学術委員長 小幡同窓会長より感謝状の贈呈
発信日 2017年10月03日 (火) 更新日 2017年10月26日 (木)