講師：野本秀材先生（東京都開業）

　当院では、2015年より院外技工所と通信可能な口腔内スキャナー（Intraoral Scanner ：IOS）を使用するようになって10年が経過した。当初ジルコニア冠の補綴治療を主に行っていたが、スキャニングしたデジタルデータを多様なCaseに応用することが可能なことが分かった。ジルコニア冠だけではなく、金属冠や金属床のモデリング（設計）、ワックスパターンのミリング、e-maxクラウン、インレー、べニアなど補綴装置の幅が大幅に増えてきてきた。さらに、コピーデンチャー、アライナー矯正や、インプラント埋入サージカルガイドのガイド設計・製作、インプラント上部構造の製作など、今日の診療に無くてはならない機器となっている。昨年、IOSによるインレー治療が保険収載されたが、今後クラウンにも適用されると、多くの医院の参入が予想される。混乱しないようにIOＳに対応できる診療スタイルを確立することが望まれる。今回はIOSを用いて行った多様な症例を提示して、IOＳの使用法、良い点、危惧すべきことなども含めて、皆様のお役に立てるような話をしていきたいと思う。

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